2014年11月12日

防衛技術シンポジウム2014

平成26年11月13日(火)、グランドヒル市ヶ谷にて行われた防衛技術シンポジウム2014に行ってきました。

昼から休みを取り市ヶ谷へ移動。
丁度お昼時のためどこのお店も一杯。仕方がないので昼食を食べることなく会場入りしたところ、3時間半ほど飲まず食わずで喋り続けるハメに(苦笑)。


今年のシンポジウムは昨年のRWSの様な試作品の目玉商品がなく、今ひとつな感じがありましたが、それでも防衛装備品開発の担当者と直接話すことが出来る貴重な機会なので、あれこれと面白い話を聞くことが出来ました。

その中から幾つか。


一時注目されていた手投げ式偵察ロボット。
小型化を進めれば進めるほど踏破性が悪くなることが分かったため、こちらの方面での開発を継続して行うことはなさそうな模様。
実際にカーペットの上で動かしていましたが、明らかに動きが悪かったです。

偵察ロボットとしては昆虫型とかの方が有望みたいですね。


爆発物対処用ロボットI型。
こちらは実際の装備品として制式化され配備が始まっています。


I型とII型が同時に採用されてるのですが、同じようなものを同時に2種類採用されたのには何やら理由があるようで。
ただ、残念ながら部内の人間ではないので教えてもらえませんでした。

ちなみにこちらは現在CBRN対応として、主回路に放射線防護を施したものが開発中です。


昨年注目を浴びていた水中グライダー。
中央右のピストンで浮き沈みすることにより前進するというもの。
機能的に最適な形にしてしまったため、母船からの進水や揚収が非常に難しく苦労されたそうです。
実証実験は終了したので、今後どうするかは未定。


軽量戦闘車両システムのインホイールモーター。
今のところこれ一台のみで、実験の結果、今のところは所定の性能は確保されているとか。


個人的にずーっと気になっていた中距離多目的誘導弾。
Wikiやモノの本では発射器単体で運用可能な様に書かれていますが、やはり指揮統制装置は別途必要なのだとか。
指揮統制装置と発射器は1対多。ただ、指揮統制装置1基に対しどれだけ発射器がぶら下がれるかは不明。
野外通信システムを介して上位システムとも連接可能。
普通科の評判もよろしいようです。


12式地対艦誘導弾は今後もフォローアップが続くそう。
開発の際には陸海の担当が同じ部屋の中で共同で作業をしていたそうで、相互の垣根を超えた貴重な経験になったのだとか。


将来戦闘機に向けた航空機システム技術の研究。
将来戦闘機の開発が決まった段階ですぐに開発に移行できるように、各々の技術研究を続けている段階です。

パネルに挙げられている5つの技術の中で説明を担当されていた技官が個人的に一番難しいと思っているのは「軽量化機体構造の研究」なんだそうで。
既にCFRPなどの新素材が実用化され十分に軽量化されている状態で、更に一層の軽量化を目指すのが技術的ハードルが高いとおっしゃられていました。

ちなみに戦闘機用統合火器管制技術の研究は当初のUAVとかAWACSなどとのデータリンクから編隊内でのデータリンクに変わっている様で、編隊内でセンサ情報を共有し、一定のアルゴリズムをもって最適な任務を所属する各機体に割り振る形になるようです。

当初は全部自動にして、探知した目標に対し最適な位置にいる機体から自動でミサイルを発射したらとかいうアイデアもあったそうですが、パイロット側が嫌がったとのことで、あくまでもアシストにとどまるとのこと。

プロトタイプは完成するとF-2で試験する予定だそうです。

まあ他にもあれやこれやと話を聞いたのですが、とりあえず目ぼしい物はこんな感じですかね。
でも面白かったのでまた来年も行こうと思います。


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