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ソマリア沖・アデン湾における海賊対処部隊体験者講演会

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千葉県自衛隊協力会連合会主催のソマリア・アデン湾における海賊対処部隊体験者講演会に行ってきました。
千葉駅で降りたことがなかったので千葉公園で俺妹の聖地巡礼鉄道第一聯隊の遺構を見学し護国神社に参拝した後、お昼ごはんを食べて会場へ。


会場は千葉駅前の京葉銀行文化プラザ。
1330開場、1400開演のはずだったのですが、私が着いた1315には既に開場していて、多数の人でロビーがごった返している状況。
資料をもらい1階席に入ったらマイミクさんが2階席にいたのでそちらに移動。どうやら1階席は関係団体席で、一般は2階席だったそうなんですが、誰にも止められなかったよなぁ。
とまあ運営側に一抹の不安を覚えながら、1355に開演。
まずプロローグとしてペルシャ湾派掃海派遣部隊指揮官の落合畯元海将補が登壇。


お父上である大田實海軍中将は千葉県出身なので、千葉県での講演に招かれたことを嬉しく思うと述べられていました。
また当時掃海母艦「はやせ」には大漁旗が掲げられていたのですが、こちらは峯岡山分屯基地の隊員たちが自費で調達したものだそうで、往時を思い返しておられました。
ただ、プロローグなので時間は3分。もう少し話聞きたかったなぁ。

プロローグの後、まずは海上自衛隊の水上部隊、航空部隊指揮官の講演。
最初に登壇されたのは、航空部隊指揮官の飯塚一等海佐と海上部隊指揮官の水間一等海佐。
東京商船大学出身で真面目な船乗りといった感のある水間一佐と、大阪出身で航空学生からの叩き上げで笑いを取りに走る飯塚一佐という対照的なコンビです。
まず飯塚一佐が取り出したのは、当時着用していた防署服。
シャツもパンツもこの色なんですね。


この下着は陸海空共通のものだそうで、現地では「統合パンツだ」と言われてたそうです(笑)。

続いて登場したのは、館山第21航空隊の小川三等海佐と吉野一等海曹。
こちらは主に艦載ヘリ部隊の活動を紹介されました。


任務中は二直編成で、24時間態勢で待機しているそうで、実任務の緊張感に加え暑さなどもあり大変だったと思います。
搭乗員は射撃を受ける危険性があるため、防弾プレート入りのベストを着て搭乗するとのこと。
プレートを外して見せてくれましたが、舞台まで遠かったのでもっと近くで見たかったですね。
派遣中は留守家族と一日2回のメールに加え、入港時には15分間の衛星電話が許されているそうですが、なんせ派遣期間が約半年なので、留守部隊によるケアも重要かと感じました。

ここで一度休憩を挟み、引き続き齋藤3等空佐による航空自衛隊による輸送業務についての紹介。
小牧の第1輸送航空隊に所属するC-130Hにて輸送業務は行われているのですが、日本から現地までは約13000km。C-130Hで約4日間掛かるとのこと。


1日約8時間飛行するそうですが、交代要員の疲労防止も兼ねて機内にはベッドが設けられています。
C-130Hの機内は超うるさいのですが、意外とそれでも寝れてしまうのだとか。
あと、プロペラ機なので積乱雲を超えることが出来ないため、コースの設定には一番気を使うそうです。
こういったノウハウは実際の任務に従事しないと分からないので、モザンビークやゴラン高原、そしてイラクなどへの派遣任務を重ねることによって蓄積された結果なんだなと思いました。

体験者の講演の最後は第1空挺団の久保田3等陸佐と倉野2等陸曹。


なかなか警衛隊の任務について話を聞く機会がなかったので特に注目していたのですが、現在、ジブチ国際空港の端っこに設けられた自衛隊の基地の警備には陸上自衛隊より約50名の隊員が派遣され、現地のスタッフと共に24時間態勢で警備任務に従事しているそうです。
また陸自の隊員は警備のみだけでなく車両整備やその他様々な業務にも従事しているとのことで、警備のみ行っていると思っていたので少々意外でした。

ここでも現地の人に溶け込もうとする姿勢は変わっていないそうで、一緒に働くために現地の言葉を覚えるのは日本人くらいだと言われているのだとか。陸自の隊員は英語が得意でない隊員も多いそうですが、英語を覚えずになぜかジブチ語を喋れるようになる隊員もいるのだとか。
派遣が終わった今でも、メールで現地のスタッフと個人的に連絡を取り合っている隊員もいるそうです。


また、警備の上で一番重要なのは、現地政府や警察、米軍などとの調整業務。
話すことがなくて気まずい時間が出来たりもするそうですが、普段から顔を合わせておかないと、いざというときには対応できませんからね。

そして統幕副長 磯部陸将による総括を経て講演会は終了。
最後に協力会から感謝状が贈呈されました。

講演の内容に重複があったり、時間配分がまずくて質問タイムがなかったりしたのが残念でしたが、全体としては非常に興味深い講演内容でした。
是非、このような機会をもっと増やしていただければと思います。
特に募集対象者に対してこういう話を生で聞ける機会がもっとあってもいいと思いましたので、是非ご検討いただければと思いました。

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